エグゼクティブサマリー
- エンタープライズコンテンツの役割は変化しています:コンテンツはデジタルトランスフォーメーションの基盤であり、組織は最大の価値を生み出すためにクラウドとAI技術を活用しなければなりません。
- 革新的テクノロジーは、非構造化データから深いインサイトを引き出します:AIを活用したコンテンツ、プロセス、アプリケーションインテリジェンスソリューションにより非構造化データに構造と目的が加わります。企業は社内コンテンツを有効活用して、新たな成長機会を開拓できます。
- Hyland Content Innovation Cloud™により企業全体のコンテンツが結合:コンテンツが複数のリポジトリにまたがって断片化されていては、ビジネスはスムーズに進みません。コンテンツ、プロセス、アプリケーションインテリジェンスを統合したハイランドのプラットフォームではフェデレーテッドクラウドアーキテクチャを採用し、すべてのエンタープライズコンテンツをまとめて見ることができます。
- AI対応のプロセスとアプリケーションは生産性を向上させます:ワークフローは変化するビジネスニーズに動的に適応し、意思決定を支援し、リアルタイムで運用を最適化します。アプリケーションインテリジェンスにより、シームレスな統合とアプリケーション開発期間の大幅な短縮が可能です。
増え続けるエンタープライズコンテンツを効率的に管理し、そこから最大の価値を生み出すことは、現代の課題となっています。この課題の解決策としてスマートな新技術を利用する分野は、まだほとんどの企業が取り組んでいない未開拓の商機です。
幸い、これらの課題に対処し、新たな機会を切り開く革新的な技術が登場しています。AIとクラウドのフルパワーを活用することで、企業コンテンツから深い洞察を引き出し、業務の運営方法やサービスを提供する相手との関わり方を根本的に再定義することができます。
以下では、非構造化データの新たな役割を追求することで、企業コンテンツからより多くの価値とデータに基づくインサイトを取得する方法を取りあげています。その新たな役割が、顧客、運営、業績に及ぼすインパクトはまさに画期的なものになるでしょう。
コンテンツに関して解決すべき4つの課題とその解決策
ハイランドのジテッシュ・S・ガーイ社長兼CEOは、コンテンツが企業に果たす役割に関する新しい大胆なビジョンとそのビジョンを実現するためのテクノロジーを想い描いています。
その要旨は、「コンテンツとは、単に文書、音声、動画のファイルやフォーマットにとどまらず、知的財産であり、組織的知識であり、ブランドにほかなりません……要するに、企業がたどってきた歴史の生きた記録です。そして今こそ、それをさらに活用するときです」というものでした。
ガーイCEOはハイランドの年次ユーザーイベントであるCommunityLIVEで、次のように語りました。「これまでは不可能だったことが、AIによって可能になっています。変革成果を促進する鍵は、企業コンテンツにデジタルとクラウドAIを適用することで手に入ります」
同CEOは、未曾有のチャンスには、課題もつきものだと言い添えています。そこで、コンテンツ管理の新時代で、これらの課題を解決する方法を探っていきましょう。
課題1:コンテンツが断片化している
Forresterによると、コンテンツは平均21の異なるシステムに分散しています。ほとんどの企業はコンテンツを複数の技術ツールに保管しており、統一を試みてはいるものの、データは断片化しています。
SharePoint、Box、BLOBストレージ、データセンターのファイルシステムのいずれであっても、全体的なプロセスから切り離されているデータ量は驚異的です。
「組織は非構造化データの洪水の中を漂っており、保有しているデータの量や重要性を明確に把握していません」(ガーイCEO)。
コンテンツが断片化すると、プロセスも断片化し、人、システム、部門間の引き継ぎが非効率になります。ツールの重複も断片化の一要因です。ワークフローの自動化(多くのデジタルトランスフォーメーション戦略の重要な要素)は連携しないため、効果が失われます。ガーイCEOによると、戦略上の焦点が定まらないのも問題です。各チームは複数のアプリや画面には注目していても、全体象には目を向けないため、実質的なイノベーションが困難になり、顧客への提供に至らないことになります。
ソリューション:エンタープライズコンテンツの統合
フェデレーテッドコンテンツの目的は、複数のコンテンツリポジトリを1か所に接続し、企業全体に統一されたビューを提供するというシンプルなものです。
ハイランドのお客様が、Hyland OnBaseとMicrosoft SharePointの両方を使用している場合を例にしましょう。Content Innovation Cloudは、独自のフェデレーション機能を使用して、この2つのリポジトリにまたがるエンタープライズコンテンツと非構造化データをクラウドとAIで利用可能な状態にします。これらコンテンツとデータは、保存先から移動させずに、コンテンツ、プロセス、アプリケーションインテリジェンスツールでアクセスし、利用できるようになります。
要するに、このコンテンツフェデレーション戦略により、お客様はあらゆるシチュエーションでハイランドを利用できます。例えば次の場所で、すべてのコンテンツを見ながらスマートに作業できます。
- あらゆる環境で:AWSなどのパブリッククラウド、オンプレミス、プライベートデータセンターなど、あらゆる環境にあるソリューションで有効です。
- リポジトリ全体にわたって:エンタープライズコンテンツをリポジトリ全体で統合し、より大きな価値を提供します。
- ワークフロー全体で:既存プロセスにコンテンツをシームレスに組み込み、生産性を向上し、業務を合理化させます。
この新しいコンテンツ管理の概念は、将来におけるデジタルトランスフォーメーションの基盤となります。重要なのは、企業コンテンツを統合すること、およびユーザーや技術が統合コンテンツにアクセスできるようにすることです。
Content Innovation Cloud
コンテンツイノベーションの原動力となるプラットフォーム
Content Innovation Cloudは、エンタープライズコンテンツ管理の未来です。組織は、コンテンツ、プロセス、アプリケーションインテリジェンスの統合プラットフォームを活用することで、企業コンテンツと非構造化データから深いインサイトを引き出し、混乱を招くことなくイノベーションを促進できます。
課題2:非構造化コンテンツは価値を創出していない
組織は大量の非構造化コンテンツを生成します。電子メール、契約書、デジタル会話、ビデオ、AI生成の出力などの形式は多くの貴重なデータを生み出しますが、それを見つけて使用するのは困難です。
どのようにしたら、この難題を克服して、データに潜むインサイトを活用できるでしょうか。
Forresterによれば、非構造化データは企業コンテンツの60~80%を占めています。旧型ECMは当時の技術的限界により、非構造化データを検出、処理、活用するのが困難でした。そのため、組織は必要なデータを取得できず、状況を完全に把握していない状態で業務を遂行せざるを得ませんでした。
AIの登場により、こうした旧型ツールによる技術的制約は消滅しています。
多くの企業が語るとおり、データは基盤であるというのは確かなことです。ただ、ここで言うデータとは構造化データを指します。ハイランドが市場でチャンスを見出しているのは、基本的に、非構造化コンテンツを積極的に扱っているためで、それはきわめて有利な強みです。
— Erie Insurance取締役副社長兼CIO、Partha Srinivasa氏
ソリューション:コンテンツインテリジェンスを通じて実用的なインサイトを取得
ガイ氏は、組織がよりデータ主導型になりたいと考えており、AIを活用してエンタープライズコンテンツを強化することで、それが可能になると述べました。
SharePoint、Google Drive、その他のサードパーティリポジトリなど、コンテンツがどこに保存されていても、プラットフォーム間でコンテクストを伴う情報の価値を引き出すことができれば理想的です。この理想は、旧式のコンテンツ管理手法では、ほぼ実現不可能です。
ところが、エンタープライズコンテンツを統合し、(処理が簡単な構造化データに加え)コンテンツに含まれる非構造化データをAIで処理できるようにすることで、組織は今まで使用していなかった膨大な量のデータポイントをキュレーションし、メタデータで充実させ、関連性に基づき整理・分類できます。この準備作業が完了すると、コンテンツインテリジェンステクノロジーにより次のことが可能になります。
- SharePointやOnBaseなどのリポジトリ全体で、過去の非構造化コンテンツを構造化する。
- 自然言語を用いてコンテンツでクエリを実行する。例えば質問をしてより深いインサイトを取得します
- 結果を要約し、実行可能なインサイトを提供する。ユーザーは複数の文書を調べて読み解く必要はありません
- さまざまなリポジトリにある複数の文書へのリンクを提供し、文書内の情報源を強調表示する。これによりユーザーは詳しく調査して、AIが生成した回答を検証できます
- 新たなユースケースを多数見つける。生成AIとAIエージェントを活用して、さまざまなビジネスニーズに対処します
課題3:インテリジェントオートメーションの機会を失う
多くの企業は、インテリジェントドキュメント処理(IDP)などのインテリジェント自動化ツールをデジタルトランスフォーメーションの一環として活用しています。ただし、ハイランドの委託によるForresterの調査によると、AIに対応する自動化を活用しているコンテンツビジネスリーダーの割合はわずか30%と、まずまずではあるものの、十分とは言えない水準にとどまっています。新技術を採用して優れた結果を出す点で、遅れを取っている組織が多数にのぼるのが現状です。
AI主導の自動化が勢いを増すなか、自動化の潜在的なメリットはこれまで以上に大きくなっています。現代のソリューションと違い、従来の自動化ツールは、変化するビジネスニーズに迅速に対応することも生産性の大幅な向上に貢献することもできません。一方、AI主導の自動化を採用している組織では生産性が40%改善したという実例(McKinseyのデータ)があります。基本的に、効率化が達成されない限り、機会を逃していることになります。
プロセスインテリジェンスは、成果を新たな次元までレベルアップするための第一歩です。
ソリューション:AIを活用したプロセス最適化
プロセスインテリジェンスは、Automateをはじめとする製品の重要なコンポーネントであり、この機能を利用することで、ワークフローを変化するビジネスニーズに動的に適応させたり、意思決定の参考にしたり、リアルタイムで運用を最適化したりできます。ハイランドのあるお客様は、Automateの実装により処理時間を50%削減させました。
ハイランドは、Automate、コンテンツインテリジェンス、AIの力を結集させることで、システムに学習、適応、推奨能力を加えます。また、新たなリリースが出るたびにAI機能が強化されるため、Automateはよりスマートになり、適応力と性能が向上します。
Hyland Automateは、フォームとプロセスの管理方法を変革しています。すでに効率が向上していますが、これはまだ始まりにすぎません。今後、より多くの部門でAutomateを活用することになるでしょう。
— インディアナ州立大学プログラマーアナリスト、Carol Wiemuth氏
課題4:カスタムアプリケーションの構築とデプロイに時間がかかりすぎる
アプリケーション開発リクエストを待つキューは長くなる傾向にありますが、急変するビジネス環境では、列に並んでいる間も、俊敏性を維持し、集中し続けることは困難です。ITチームにカスタマイズや新規開発に取り組む人材が不足していたり、適切なチームメンバーの採用が困難だったりと、さまざまな理由により、適切なアプリケーションのコード作成、テスト、デプロイに数週間から数か月、果ては数年待つ状況は、ビジネスにとって好ましいものではありません。
ソリューション:AIを活用してアプリケーション開発を加速する
AIを活用した開発では、新ソリューションの構築、カスタマイズ、導入をするうえで、順番待ちをするよりも優れた方法があります。必要な要素のコードを作成する代わりに、アプリケーションに必要なことを告げるのです。
アプリケーションインテリジェンスは、生成AIを活用して開発プロセスを推進します。広範なコーディングを必要とせずに、高度でインテリジェントなアプリケーションを開発できるのです。ワークフローアプリケーション全体をコーディングする代わりに、「Generate with AI」ボタンをクリックして、自然言語で必要なことを説明できます。「投資顧客をオンボーディングするためのプロセスが必要」、「新規クライアントに、本人確認用の個人的書類を3点提出してもらう必要があり、当社の標準的なプライバシー同意書に記入してもらいたい」といった具合です。
AIと自動化の力を活用することで、アプリケーションインテリジェンスは、今日直面している課題を解決するだけでなく、ニーズの変化に応じて迅速に進化することを可能にします。
独自のビジネス課題に対処するための完全に新しいカスタムソリューションを作成する場合に加え、組織はアプリケーションインテリジェンスを使用して、AI主導のインサイトをビジネスシステムに組み込み、複数のサイロにわたるコンテンツを集約しています。SalesforceやWorkdayなどのツールにインテリジェンスをシームレスに統合することで、意思決定での情報活用度を全社的に高める動きを加速させています。
アプリケーションインテリジェンスは、企業に新たな可能性の世界を開き、アプリケーションの開発方法を変革し、日々依存しているミッションクリティカルなビジネスシステムにインテリジェンスを組み込むことを可能にします。
新しいコンテンツ時代に繰り出しましょう
Content Innovation Cloudは非構造化データの潜在価値をフル活用するための製品です。企業を現在の段階から、今まで達成できなかったレベルの効率化とインサイトの取得へと導きます。AIとクラウド技術を活用することで、企業はコンテンツをより強力な資産に変え、デジタルトランスフォーメーションを推進し、新たな成長機会を発見できます。
ご興味がある場合は、当社までお問い合わせください。
お客様が世界でイノベーションを実現する姿を、信用のおけるコンテンツ管理者として見届けるのを楽しみにしております。
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ハイランドに移行する
クラウドネイティブのデジタルトランスフォーメーション戦略により、お客様サービスの向上と、より賢く、より強く、より速い成長を実現できます。ハイランドなら、可能性を最大限に引き出すことができます。
AIに投資する前に、データがAIに対応可能な状態かを評価しましょう
どの組織でも、AIの約束とポテンシャルに対応したいと考えていますが、その実装においてしばしば見落とされる重要な部分があります。それはAI導入の準備状況です。AIが期待どおりの結果を実現するには、エンタープライズのコンテンツがAIに対応している必要があります。考慮すべきAI対応フレームワークを以下に挙げます。
コンテンツ管理を見直すための24の統計
Hylandが委託したForrester Consultingの調査により、コンテンツ管理の意思決定者向けのインサイトや推奨事項が明らかになりました。AI、クラウド、インテリジェントオートメーションが勢いを増し、効果が高まっている昨今の最新の市場動向をご覧ください。