クラウドにおけるDAMのメリット
実装のスピードとコスト
クラウドソリューションは、複数のプラットフォームにソフトウェアをインストールする従来のオンプレミス型ソリューションよりもコストが低いです。
インストールと継続的なメンテナンスに関連するコストがかからなくなるだけではなく、運用コストのサブスクリプションベースへの移行は、多くの場合、予算管理の面でより魅力的です。
従来の手法よりも速く導入でき、ソリューションによるROIをより速く実現することができます。Hyland の Nuxeoプラットフォームのお客様は、クラウドネイティブDAM環境の導入にかかる時間が、従来のDAMソリューションよりも最大で6分の1にまで短くなっていることを実感されています。
コラボレーション
クラウドソリューションはインターネット接続とブラウザがあればどこからでもアクセスすることができ、その性質上、従来のソリューションよりもコラボレーションを容易に促進するインフラストラクチャを備えています。
クラウドを通じたアクセスができるということは、複数段階のVPNログインがもはや必要ないということです。
クラウドDAMとユーザーベースの権限設定により、社内外の適切なユーザーが、必要なときに必要な資産へのアクセス許可を得られるようになります。
たとえば、HylandのNuxeoプラットフォームでは、特定の個人に対して、一定期間にわたり1つの資産へのアクセスを付与することができます。特定の写真のレタッチに関する問題を48時間以内に修正するよう、社外エージェンシーの担当者に依頼する場合などに便利です。
クラウドDAMソリューションでは、場所はもはや問題になりません。
インターネットに接続していて適切な権限が与えられている限り、担当者や担当チームの他のメンバーは、部署の垣根や地理的な境界を越えて、どこからでも資産のアップロード、検索、取得、操作、公開が可能です。
スケーラビリティ
従来形DAMシステムの実装で最も難しい部分の1つが、必要なストレージの見積もりです。現在必要な規模に合わせるのか、今後の成長に備えるのか、またどのように見積もるのかも問題です。
クラウドベースのDAMであれば、今後の成長を見越して予測する必要はありません。ソリューションは事業に合わせて成長・拡大していきます。すぐに必要な規模から運用を開始し、成長のための多少のバッファを追加して、資産の数や種類の増加に合わせて規模を拡大していくことができます。
HylandのNuxeoプラットフォームのお客様は、クラウド環境で何百万件もの資産を管理するまでに成長しました。システムは数十億件のオブジェクトを処理できるようにストレステストされているため、お客様はかつてないほどの速度でスケールできます。
継続的な開発
クラウドDAMソリューションであれば、複数のバージョンの遅れを出すリスクや、アップグレードをインストールするために通常の制作サイクルを中断する必要がなくなります。
DAM環境はすべてのサブスクリプション登録者に共通のサービスとして管理されるため、アップデートは全て、事前に予定されたメンテナンス期間中に、すべてのユーザーに自動的に適用されます。
バグ修正や機能改善も同様です。そのため、予定されたソフトウェアリリースのパッケージ化と配送を待つ必要はなくなります。プラットフォームの開発者は、準備が整い次第、新機能やアップグレードされた機能を組み込んでリリースすることができます。
定期的な繰り返しの更新スケジュールから継続的開発への移行によって、クラウドDAMのユーザーが常に同じ機能を、最新の状態で利用できるようになります。そして更新作業は、すべて自動的に実行されるのです。
分析
サービス全体はクラウドサービスプロバイダーが管理しており、さまざまな側面に関する分析も収集しています。これは多くの場合、システム内に保存されている資産の使用状況や、さまざまなユーザーのインタラクションに関する分析の収集にまで広がります。
デジタル資産管理の観点では、画像の使用状況やメタデータにとどまらず、誰が、どこから、どのくらいの頻度で検索、アクセス、作業したかを追跡できるということになります。派生物や翻訳での利用状況など、資産間の関係も追跡できます。
マネージドサービス
DAM のクラウド環境への移行は、実装コストの削減と効率性の向上を実現するだけでなく、運用コストの面でも副次的なメリットをもたらす重要な戦略的決定です。クラウドベースの DAM を選択することで、組織はシステムを自ら管理し保守する負担から解放されます。
管理とメンテナンスをサードパーティのサービスプロバイダーに委託することで、組織は日常的な維持管理業務からより戦略的な取り組みに予算を振り向けることができます。この移行により、より柔軟でスケーラブルなテクノロジー導入が可能となり、企業はDAMプラットフォームの管理に気を取られることなく、中核業務に集中できるようになります。
デジタルサプライチェーンの戦略的プラットフォーム
デジタル資産をクラウドで一元管理することにより、組織は作成から配布に至るまでのコンテンツインベントリを包括的に確認できるようになります。この一元化されたリポジトリは、サプライチェーンのあらゆる段階で、社内チーム、外部パートナー、利害関係者間のシームレスな連携を促進します。
クラウドベースのDAMソリューションは、コンテンツ作成ツール、マーケティングオートメーションプラットフォーム、eコマースシステムなど、デジタルサプライチェーンの他の主要コンポーネントとシームレスに統合されます。これにより、ワークフローが自動化され、手動による介入が減少し、コンテンツ配信の速度が加速されます。
さらにクラウドベースのDAMソリューションは拡張性があり、変化するビジネスニーズに適応できるため、プロモーションキャンペーン中のピーク需要にも対応できます。従来のオンプレミス型インフラストラクチャの制約を受けることなく、デジタル資産を効率的に管理することができます。
国境を越えたコラボレーションのためのグローバルインフラストラクチャ
クラウドベースのDAMを導入したユーザーは、インターネット接続があればどこからでもプラットフォームにアクセスできるため、地理的な障壁はなくなります。このアクセシビリティの高さがリアルタイムのコラボレーションを促進し、従来のファイル共有につきものの遅延や非効率性を解消します。
さらに、機密性の高いデジタル資産を保護するための堅牢なセキュリティ対策が備わっているため、さまざまな法域でのデータプライバシー規制に確実に対応することができます。高度なユーザー権限と暗号化プロトコルが不正アクセスやデータ侵害を防ぎ、国境を越えたコラボレーションのための信頼につながります。
多言語機能のサポートにより、異なる地域のチームが言語の壁を越えて効果的に協力できるようになります。複数の国でマーケティングキャンペーンを連携させる場合や、グローバルでの製品発売のマネジメントでは、組織はクラウドを活用してコラボレーションを合理化し、多様な市場にわたる一貫性を確保することができます。
さまざまな異種のファイルリポジトリや古いコンテンツのせいで混乱が起こる懸念がある場合でも、心配はありません。クラウドベースのDAMソリューションの集中管理とバージョン管理の機能により、可視性と説明責任が強化され、さまざまな地域の関係者が共有プロジェクトでシームレスに共同作業できるようになります。